除夜の鐘


 今年一年をふりかえり、来る年の平安を静かに祈る大晦日。夜11時45分から除夜の鐘をつき始めます。山寺の潮音院で静かな年の瀬を迎えられてはいかがでしょう。除夜の鐘をつかれる時は、鐘楼堂の入り口で粗品をいただかれてから鐘をつきます。合掌をして梵鐘に軽く頭を下げてから突くとよろしいでしょう。突き終わったら、再度合掌をしながら頭を下げ退堂します。もっと鐘を突きたいと思われる方は、行列の後尾へ並び直されたら、何度でも鐘突きができますよ。

 新年を迎えますと、本堂では元朝祈願祭が始まります。静寂な本堂に太鼓の音が鳴り響き、新年の到来に心引き締まるひとときです。引き続きご参列下さい。

 

 <百八煩悩を滅する除夜の鐘>・・・煩悩とは、自分を悩ませるもの、苦しみの原因、心を乱す欲望の総称です。108という数は、仏教を論じる論書に『アビダルマコーシャ・「倶舎論」(くしゃろん)』というのがあって、その中に煩悩のことを九十八随眠(ずいめん)というふうに98種類に分類してあるんです。でさらに、十纏(じってん)という従属的な煩悩を10種類数えます。そういうわけで、98+10=108と数えるそうなんです。仏教の数え方って、独特なんですよね。チャートの下にあるコンテンツまで含めて数えたりするから単純ではありません。たとえば四苦八苦。これ普通ですと、四つの苦しみと八つの苦しみかと考えるけれども、実は八苦の中に四苦は含まれているんですよね。

 まあともあれ、この108の煩悩の数を除夜の鐘では突くわけです。それで、実は正しい突き方があります。それは、新年を迎える前に107つの鐘を突いて、残りの1つは新年になってから突くと。これが正しい突き方といわれています。行く年の煩悩を除いて、今年一年の災いを突き除く、そんな思いから来るしきたりでしょうか。

【開催日】  毎年 12月31日

【時  間】  夜 11時45分

【場  所】  潮音院 鐘楼堂