聖徳太子講


 日本全国津々浦々でおこなわれている行事です。「講」というのは、「共通の信仰対象を持ち共に信仰を深めて参りましょう、という人々の集まり」といったところでしょうか。聖徳太子を奉賛するこの講は、すでに室町時代の終わり頃から始まっていたようです。太子の忌日は2月22日といわれていますが、鹿町職人組合では、お正月の22日を「太子講」の日と定め、大工や左官、その他建築業組合に関係する職人がお寺にあい集います。宝前に聖徳太子像をお祀りし、曲尺や墨壺、ヨキなどの大工道具をならべて聖徳太子への報恩感謝の念をささげます。そして、一年間の作業安全と、家内安全、事業の繁栄などを至心に祈るのです。聖徳太子が建築関係の職人さんたちから崇められるのは、四天王寺や法隆寺などの巨大建築に太子が関わり諸職を定めたということから、聖徳太子を守護神として崇拝するようになったと言われています。
 昔は、この講が、1年の初めに開催する組合の話し合いの場、であったらしく、向こう一年間の日給などがこの場で決定されていたと聞き及びます。信仰だけでなく、極めて実務的な場であったんですね。

 鹿町職人組合が毎年おこなっている聖徳太子講の様子を撮影したビデオがあります。古いビデオですが、長崎物語というお菓子のコマーシャルに出演したときの様子です。短いCMですが、ご覧下さい。

【開催日】  毎年 1月22日
【場  所】  潮音院 本堂