盂蘭盆会(お盆)


 お盆には、一年ぶりにご先祖様が帰ってこられます。

精霊棚をこしらえてご先祖様をお待ちします。8月13日の夕方には提灯を灯してお迎えし、15日の夜に精霊流しをしてお送りします。

 盂蘭盆とは梵語でして、これを訳すと「逆さ吊りになっている苦しみから救う」という意味になるのそうです。

盂蘭盆経というお経に、お釈迦さまの弟子である目連(もくれん)が、その心眼でご自分の母が死後に餓鬼道に落ちて痩せ衰えているのを見透し、何とか助けたいとお釈迦様に助けを乞い、「衆僧に供養してその功徳の力でお母様を助けなさい」というお釈迦様の言葉でやっと助けることができたという説話に由来しています。これに祖先崇拝が融合し、先祖の霊を慰める行事となりました。

 

<お盆のおまつり>

 お盆には、ご先祖様をお迎えするための「精霊だな」を準備します。これは、ご先祖をお接待するためのお座敷です。平台でもひな壇式でもかまいません。棚の上には、コモ(菰)を敷きます。コモは、いわば夏座布団です。

 日頃お祀りしているお仏壇からご先祖のお位牌を全て取り出して、コモの上に座って頂きます。その時に仏壇の中やお位牌にたまった埃を払って清浄にされると良いでしょう。<*今年、初盆(新盆)を迎えられる場合は、精霊棚の中央にお初盆のお位牌をお祀りし、その両側に他のご先祖をまつります。>

 お位牌の前には、「お線香・お花・お灯明・果物・お菓子・御霊具膳(精進料理)」を供えます。住宅事情によっては、お仏壇の前に小さな台を置いて、精霊だなとされても良いでしょう。

 お盆の間は、精進料理をお供えします。メニューは、地域や各家の伝承もあり決まったものはありません。

年に一度だけ帰ってこられるご先祖様と家族みんなが、楽しく過ごす三日間。それぞれの家の創意工夫が、最も喜ばれる秘訣かも知れませんね。ご先祖へのお供えは、家族のためのお供えでもあります。みんなで頂きましょう。

 15日の夜は、棚に敷いたコモに、果物やお菓子、精進料理などを載せ、それを包み込んで精霊船にします。

去年の8月18日のお施餓鬼会の時に頂いた「施餓鬼幡」を船の前後にさし立てます。これでご先祖をお送りする準備ができました。みなさんで静かにしっとりとお別れをして下さい。

 

<お盆のメニュー>・・・参考までに、ひとつの例を示しましょう。

 

13日(夕)・迎え団子(おはぎ)

 

14日(朝)・ごはん、みそ汁

   (昼)・そうめん、おひたし      (夕)・おすし、おすまし、ところてん

 

15日(朝)・ご飯、みそ汁

   (昼)・のっぺい汁

   (夕)・小豆ご飯、にしめ、胡麻豆腐、酢の物、送り団子(柏団子)

 

【開催日】  毎年 8月13日~15日