弥勒寺『仁王護国般若波羅密多経』2巻


平戸松浦藩主第十代松浦熙公が、国家安全のため書写されて、版木で出版。領内の神社仏閣に奉納された経典です。煕公の御字、すてきです。佐世保市小佐々町の大悲観公園にある巨岩に彫られている字も、このお殿様が書かれたもの。今も数多くの達筆が現存しています。

 

*平戸田平町に存在していた「弥勒寺」という寺院から、受難をくぐり抜け潮音院までたどり着いた経典。弥勒寺は、田平町のMR田平駅(日本最西端の駅)にほど近い場所に存在していたと聞く。

天保11年(1840年)八月に、松浦煕公が国家安全のため書写、出版。弥勒寺への奉納は、弘化3年(1846)2月1日になされている。煕公の花押付き。

また、この出版元である版木は、平戸市最教寺の霊宝館に展示してある。(平戸市指定文化財)