春のお彼岸会


 独りよがりな思いや行動が原因で引き起こしてしまう悩みや苦しみ。そんな自分の状態から(この岸)、苦悩を克服した安定した自分(かの岸)をめざして行きましょう、・・・っというのが、お彼岸という心の修養期間です。自分という存在が、計り知れないつながりによって初めて生かされ、そして輝くことが出来るという真実を、先祖供養という形でご先祖様に心をいたし、体感する。お彼岸の期間には、そんな意味があります。季節の大きな変わり目に、このような修養期間をわざわざ設けてあることに、昔の日本人の感性のすばらしさをつくずく感じます。

 春のお彼岸法要では、まず宗祖弘法大師「正御影供」法要をおつとめします。みなさん異口同音に「入定和讃」など唱えながら、御大師さまへの報恩謝徳をささげましょう。また、過去精霊、先祖代々精霊、水子の精霊など、御霊への追福追善の供養を致します。経木塔婆の読み上げを行いますので、所定の申込用紙にご記入の上、受付まで。→ <卒塔婆申込用紙>
 法要の最後は、布教師様による御法話がございます。ありがたい御法話を拝聴することで、少しでも心の肥やしにして下さい。

 春彼岸の時期は地元小学校の卒業式もあります。6年間のまなび舎に別れを告げ、新しいステージへとステップアップするための厳粛な儀式です。春の彼岸に、子ども達はさまざまな思いを胸に、大きな一歩を踏み出すわけです。中学高校、または大学を卒業し、さまざまな職業に就職する若者達。彼らにとっては、初めて社会へと参入する大きな大きな節目。さまざまな保護の中で生きることの出来た学校生活と別れを告げて、きわめてシビアな社会生活へとステップアップする節目です。現実的には、これからが本当の学びの日々かも知れません。
 寒く厳しい冬を堪え忍んできた植物の種子たちは、気温の上昇とともに発芽の支度を整え、堅く結んだ花のつぼみは、お彼岸の季節を境に徐々にふっくらと膨らみ始めます。こんな命の営みが大きく様変わりする時節に、私たちの心のあり方を見つめ直し、よりよい方向へと導いていこうとする行事。それがお彼岸にほかなりません。

【開催日】  毎年 3月21日
【時  間】  午前 10時半より
【場  所】  潮音院 本堂

<卒塔婆申込用紙>

下の申込書画像を永押しまたは右クリックで画像を保存しご記入後本寺院まで郵送ください(持ち込み、FAXでも受け付けています)